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女性ホルモン②

女性ホルモン②

女性ホルモンが乱れる」なんてよく言いますが、そもそも女性ホルモンはどんなはたらきをし、乱れるとどうなってしまうのでしょうか。女性ホルモンが私たちの体に及ぼす様々な影響を調べてみました。

● 女性ホルモンの作用
女性ホルモンとは、ひとことで言うと私たちの体内で作り出され、体の機能を調整するものです。具体的には、思春期に女性らしい体を作ったり、月経を起こしたり、妊娠するために子宮の状態を整えたりします。
 女性ホルモンには数種類ありますが、卵胞ホルモンと黄体ホルモンがメインとなっており、それらは卵巣で作られます。そして、この2つのホルモンをコントロールしているのは脳の中にある視床下部と下垂体と呼ばれる部分です。視床下部とは自律神経系の中枢であり、生命維持に最も重要な部位です。一方、下垂体は様々なホルモンを分泌する機能を持ち、両者は密接な関係を持っています。
 つまり、①視床下部→②下垂体→③卵巣の順に指令が渡り、ホルモンバランスが保たれているというわけです。


● 女性ホルモンの乱れ
女性ホルモンは上述の「視床下部→下垂体→卵巣」の連携がうまく行かなくなったときに乱れてしまいます。具体的にはどのようなことが原因となるのでしょうか。

① ストレス
女性ホルモン分泌の指令を出す視床下部は、同時に自律神経をつかさどっているのです。体の緊張状態とリラックス状態のバランスを図る自律神経は、ストレスを受けると過敏に反応してその機能に乱れが生じます。
 その結果、同じく視床下部によって支配されている女性ホルモンも多大な影響を受けてバランスを崩してしまうのです。
 要するに、自律神経が乱れるとホルモンバランスも乱れる、ということです。

② ダイエット
生命を維持するために様々な指令を送る視床下部。当然生きることを最優先にはたらきます。充分な栄養を摂取すれば、視床下部は体のあらゆる機能が滞りなく行われるよう、くまなく指令を送ります。
しかし、無理なダイエットによりエネルギーが減少したらどうなるでしょうか?視床下部はまず、当然生きるためにさほど重要でない「生理」が止めるよう指令を出します。同じく「妊娠」もしなければ生きていけないというものではないので、妊娠に適した子宮の状態を保つ機能も衰えます。おわかりのように、「生理」や「妊娠」は女性ホルモンの分泌によってなされるものです。
つまり、女性ホルモン自体のはらたきが急激に衰退してしまうのです。

③ ライフサイクル
女性は思春期を迎えると生理が始まり、20代~30代にかけては体が妊娠する準備をするために変化し、更年期には閉経し、女性ホルモンのはたらきが弱まっていきます。
 つまり、女性の体はライフサイクルに伴って常に変化しているのです。このような変化のもとでは、ホルモンバランスの安定を図ることは当然難しく、様々な不快症状が起こります。


● ホルモンバランスと健康
では、ホルモンバランスが崩れると一体どうなるのでしょうか?

① 睡眠障害
一見無関係に思えるホルモンバランスと睡眠ですが、実は密接に関連しています。例えば、生理前や生理中に猛烈な眠気を感じることはありませんか?それは女性ホルモンが睡眠に影響を与えているからなのです。
同様に妊娠中に眠気を訴える女性も多く、逆に更年期には不眠になることもよくあります。いずれの症状もホルモンバランスの乱れによって起こります。

② PMS(月経前症候群)
PMSとは女性特有の症状で、生理の2週間くらい前から心身の不調があらわれるというものです。生理に伴うホルモンバランスの乱れにより、以下のような症状がみられます。
下腹部の痛み、張り・乳房の痛み、張り・肩こり・頭痛・めまい・肌荒れ・便秘・食欲増進・過眠・イライラ・無気力・疲労感など
PMSの症状にはかなり個人差がありますが、軽い人も含めると大半の女性が悩んでいます。誰もが抱えうる症状なので、まったく悲観する必要はありません。自分の症状を把握し、うまく付き合っていくことが大切です。

③ 自律神経失調症
女性ホルモンと自律神経が密接に関係しているのは上述の通りです。したがって、女性ホルモンのバランスが乱れると自律神経も支障をきたします。
自律神経は生きるために必要な呼吸、内臓のはたらき、血液の流れをつかさどる重要な役割を果たしますが、心の健康にとっても大切なはたらきをしています。
また、自律神経は元気に活動するための「交感神経」とリラックスして疲れを解消するための「副交感神経に分かれます。これら2つのはたらきに乱れが生じると、常に緊張状態(=ストレス状態)が続き不眠や食欲不振、イライラ、抑うつ感など様々な症状が出てしまうのです。


● 女性ホルモンのバランスを整えるために
ホルモンバランスを整えるためには、できるだけ規則正しい生活をし、上手にストレスを解消することが必要です。

① 食生活
バランスよくビタミン・ミネラルを摂取することが安定したホルモンの分泌を促します。
女性ホルモンを整える効果が期待できる栄養素はこちら
ビタミンB群...エネルギー代謝を高めます。→豚肉、魚類、豆類、牛乳
ビタミンE...血行を良くして体を温めます。→ ナッツ類、魚類、かぼちゃ
ビタミンC...肌の健康を保ち、免疫力を高めます。→ 緑黄色野菜、果物
イソフラボン...女性ホルモンに似たはたらきをすると言われています。
       → 大豆製品
マグネシウム...生理に伴うむくみを取ります。→ ナッツ類、海藻類、豆類

② 基礎体温のチェック
女性は生理周期に伴って体温が変化します。この体温の変化こそ女性ホルモンの分泌を反映しており、体温をチェックすることによりホルモンバランスが正常に保てているかどうかを知ることができます。
記録をつけることにより、不調が生じやすい時期や体調の良い時期が把握できます。自らのリズムを知ることにより、厄介な生理や女性ならでは体の事情とも上手に付き合っていけるでしょう。

③ ストレス解消
リラックスを心がけたり好きなことをして楽しむなど、心身の負担を軽減することが必要です。
・ アロマセラピー
植物の中には女性ホルモンに似たはたらきをするものも多く、利用することによりホルモンバランスを整える効果が期待できます。
中でも、クラリセージやゼラニウムが生理前の不快症状を緩和するとされています。


・ 自律訓練法
自律神経のバランスを整えることで女性ホルモンの分泌も安定します。体の緊張を緩めて心身をリラックスさせる自律訓練法により乱れたホルモンバランスを回復し、様々な身体症状・精神症状を緩和します。



④ 骨盤を整える
子宮や卵巣を守る骨盤を整えることも大切です。骨盤は生理などの女性ホルモンの活動の影響を受け、閉じたり開いたりするため、柔軟でなければ負担がかかってしまうのです。骨盤矯正を受けたり体操をすることも必要です。

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