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若くても油断禁物! 脳卒中 その1

脳卒中の約8割は脳梗塞



 脳卒中(脳血管障害)は、1980年までは日本人の死因の第1位を占めていました。その後、がんや心臓病で亡くなる人がより多くなり、現在は死因の第3位となっています。といっても、脳卒中をおこす人が減少したわけではありません。治療の進歩などにより、発症直後の死亡率は以前に比べて低下したものの、発症率はあまり変わらず、何らかの後遺症を抱えながら生活している患者さんが少なくありません。



 脳卒中には、大きく分けて脳梗塞と脳出血、くも膜下出血の3つのタイプがあります。脳梗塞は、脳の血管が詰まってその先の細胞に血液が流れにくくなるもの。脳出血は、脳の細い血管が破れて出血するもの、くも膜下出血は多くの場合脳の表面の太い血管にできた動脈瘤(どうみゃくりゅう)が破裂してくも膜と脳の間に出血するものです。


 いずれも脳に酸素や栄養が行き渡らなくなり、脳の細胞がダメージを受けることによって、めまいやふらつき、頭痛、しびれ、運動まひ、意識障害などさまざまな症状をおこします。命は助かっても、左右どちらかの半身がまひする「片まひ」や「言語障害」などの後遺症を抱えることになったり、寝たきりになって介護が必要になることも多く、寝たきり原因の3割以上が脳卒中だといわれています。また、認知症の原因になることもよく知られています。




 脳卒中のうち脳出血は、最大の原因である高血圧への対応が進歩した結果、発症者数は急激に減ってきました。これに対して脳梗塞は年々増える傾向にあり、脳卒中全体の約8割は脳梗塞が占めています。


 脳梗塞は、ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症に分けられます。ラクナ梗塞は脳の細い血管が詰まっておこり、高血圧が主な原因です。ラクナ梗塞が脳出血と同じように減少する傾向にある一方、アテローム血栓性脳梗塞と心原性脳塞栓症は都市部を中心に急激に増えています。


 アテローム血栓性脳梗塞は、動脈硬化が原因で脳や頸部の太い血管が詰まっておこります。高血圧のほか、脂質異常症や糖尿病、肥満、喫煙などが原因となります。心原性脳塞栓症は心臓病が原因となり、心臓にできた大きな血栓が脳まで流れ、脳の血管を詰まらせることでおこります。

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