患者さんは喫煙者のほうが非喫煙者の2倍以上も多いというデータから、喫煙がCOPDに影響を及ぼしていることは明らかです。
さらに、「戦後のたばこ消費量の増加に約30年遅れてCOPDによる死亡者が増えている」とのデータからもたばことの密接な関係が裏づけられています。
またCOPDは多くの生活習慣病などを併発しやすいこともわかっています。
その主な病気をあげると、心筋梗塞・狭心症(COPD患者の50%が罹患か)、骨粗しょう症(運動制限の影響が強い)、呼吸器感染症(COPDを悪化させる原因の80%)、睡眠障害(中等症のCOPDでも夜間低酸素血症が多い)、糖尿病(運動制限の影響)、うつ病(呼吸困難などのストレスに起因)などです。
このようなCOPDの主な症状は次のようなものです。
(1)階段の上り下りで息切れがする。
(2)せきやたんが出る(とくに朝、起きたとき)。
(3)かぜをひきやすく、治りにくい。
(4)呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)がある。
以上のうち(4)の症状によって、COPDはぜんそくと間違えられることがあります。
しかし、ぜんそくが小児期を含む若い頃に発症し、発作的に症状が現われ、夜間や早朝に多いのに対して、COPDは中年以降に発症し、ゆっくりと少しずつ進行し(急速に悪化することもある)、たとえば階段や坂道の上り下りのときなどによく息切れを起こします。
以下のチェックリストで、2つ以上に当てはまればCOPDが疑われます。
たばこを吸っていれば、まず禁煙。そして、できるだけ早めにCOPDを見つけるための専門の検査を受けましょう。
●COPDのチェックリスト
□1日に何度もせきをする
□1日に何度も黄色がかったり粘ったりするたんが出る
□同年代の人に比べて息切れがしやすい(一緒に坂道を上れない)
□40歳以上である
□現在、たばこを吸っている、または以前吸っていた