歯周病の治療が骨粗しょう症の治療になる可能性が
稲垣教授らはまた、愛知学院大学歯学部附属病院で歯周病の治療を受けている患者さんを対象に、歯周病と骨粗しょう症の関係を調べました。
その結果、骨粗しょう症による腰椎の萎縮がある人は萎縮のない人に比べ、治療が必要なレベルの深い歯周ポケットや歯肉からの出血が多く見られました。
さらに稲垣教授は、「骨粗しょう症で骨折したことがある人には、残っている自分の歯の数も少なく、歯肉から出血している人が多い。
なかでも喫煙者では歯槽骨の吸収(骨量減少)が進んでいた」とのデータを紹介。
歯周病予防にも、骨粗しょう症予防にも、禁煙が大切であることを強調しています。
一方、歯周病で同病院を受診している閉経後の女性を対象に調べたところ、骨粗しょう症がありながらその治療を受けていない人でも、歯周病の治療を続けて良好な状態にコントロールすることで、骨粗しょう症の進行も抑えることができました。
稲垣教授は「歯周病治療が骨粗しょう症の治療に結びついている可能性がある」とみています。